一橋・津田塾大学陸上競技部 中長距離パート

学内記録を大幅更新!!

10月14日、立川昭和記念公園にて第94回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会が開催された。

天候は雨。気温は低く、2年前と同じような好コンディションに恵まれた。

本学からは柿沼(4)、久保井(3)、森下(3)、河野(2)、高島(2)、山口(2)、山中(2)、萱原(1)、佐々木(1)、清水(1)、田中遼太郎(1)、毛利(1)が出走。

今年の一橋大学のチーム目標は、学内記録11時間31分13秒の更新、そしてA目標として11時間25分00秒というタイムを設定し、レースに臨んだ。

着順で選手一人ひとりのレースを振り返る。

チーム1番手で帰ってきたのは、1年の佐々木。入部当初からその実力を発揮し、特にロードでの強さはチームトップの実力を誇っていたが、今回も期待通りの走りを見せた。序盤から攻めの走りで、終盤のアップダウンでも大幅に失速することはなかった。今回の佐々木のタイムはもちろん、1年の歴代最速タイムである。昨年の山口が出した67'45からの大幅更新となった。佐々木の今回の快走で刺激を受けた者も多い。これからもその走りでメンバーに刺激を与えつつ、チームを牽引してもらいたい。

チーム2番手は、2年の山口。予定通り余裕あるペースで入り、東大の集団を利用しながら、後半は徐々にペースアップし、個人目標通りのタイムで20kmを走り切った。今年は思うような走りができず、苦しい時期もあったが、夏ごろから次第に調子を上げはじめ、ここ最近はPBラッシュ。調子そのままに今回も快走を見せた。前半は余裕をもって、後半しっかり上げる山口のスタイルが確立されている。チームトップレベルの実力者としてこれからも自身の記録を狙うとともに、これから1年中長チーフとしてチームをまとめ上げ、さらにチームとしての実力を磨き上げていくことに期待したい。

山口のフィニッシュから間もなくして、高島が3番手でのフィニッシュ。予定通りのペースで10kmを通過後、ペースを徐々に上げ、後半10kmを32分台でまとめて帰ってくるという驚異の走りを見せた。高島はこの1年で最も成長した選手のひとり。トラックでは好記録を残してきた一方で、ロードではあまり実績のなかった高島だが、合宿での距離練に始まり、ここ最近にかけて距離耐性をどんどんとつけていった。昨年までのケガがちな様子が今では全く感じられない。おそらく見えないところでの本人の努力がケガの予防につながっているのだと思う。来年は主将として一選手として、チームを盛り上げてほしい。

チーム4番手でフィニッシュしたのは4年の柿沼。はじめの5kmは予定通りのタイムで入ったものの、5km以降ペースの維持が苦しくなったか、ラップタイムを17分台まで落としてしまい、68分でのフィニッシュ。これで最後の予選会となった柿沼。本人の思ったような走りはできなかったかもしれないが、チーム平均を押し上げるタイムにしっかりまとめあげている。5-20kmにかけての失速はほとんど見られない。粘りの走りだったといえる。卒業までにぜひ5000mでも学内記録の更新を成し遂げてほしい。

柿沼から10秒ほど遅れて森下が5番手でのフィニッシュ。帝京平成の3'25-30で走る帝京平成の集団を見つけ、ひたすらついていく。10km通過と同時にペースを上げ、公園内は前の選手を拾いながらペースを維持し走った。PB更新とはいかなかったが、前後半で10kmラップタイムを1分縮めて帰ってきた。昨年の雪辱を何とか晴らす走りができた。来年は最終学年として、さらに上を目指す走りをしたい。

チーム6番手は1年の萱原。帝京平成の集団について、設定通り10kmを通過。後半はペースをあげて、公園内に入ってからも失速することなく68分台でフィニッシュ。合宿あたりから徐々に頭角を現してきていたが、今回も1年生としては十分すぎるタイムで帰ってきた。落ち着いたレースができることが萱原の持ち味であり、これは長い距離においては有利に働くことが多い。ここからさらに練習を積んで、下からチームを突き上げていってほしい。

萱原からわずかに遅れ、7番手となったのは1年の田中遼太郎。萱原同様、帝京平成の集団で10kmまで走り、そこからペースアップ。公園内に入って少しペースを崩してしまうも68分台でゴール。20kmTTでも好走を見せたが、今回も期待通りの走りを見せた。順調に練習は積めているので、ケガにだけ気を付けながら、萱原と一緒に上の選手を脅かすような走りをしてもらいたい。

8番手は3年の久保井。高島と一緒に集団走をするも、10km手前で離れてしまう。その後はペースを落とし、そのままフィニッシュ。5000mでも10000mでも順調に記録を伸ばし、練習もレベルアップしていたが、予選会直前であまり調子が上がらず、思うような走りができなかった。3'20強で20kmを押していけるくらいの実力はあるので今回の結果であまり悲観的にならず、来年最後の予選会で会心の走りを見せてもらいたい。

チーム9番手で帰ってきたのは2年の河野。森下、萱原、田中と10kmまで集団走を続け、後半は少しペースを落としてしまうも、何とか粘り70分以内にタイムをまとめてきた。最近の練習で一番調子を上げていた選手のひとり。ポイント練習を全く外さず、好調さを見せていた。本人の中で、走りと歩きの良いバランスの取り方がこの1年でだいぶ確立されてきている様子なので、歩きのエキスパートを目指しつつ、走りでもチームに貢献できるような選手になってほしい。

チーム内10番手は1年の毛利。山中のつくるペースではじめの5kmを通過し、そこから自分でペースを組み立てる。公園内に入ってからはやはりアップダウンがきつかったか、ペースを落としフィニッシュ。1年生では5000mの持ちタイムが一番遅い状態で入部してきた毛利であったが、そんなことを感じさせないくらいの成長をこの半年で見せた。今回の毛利のタイムは久保井や高島の1年時のタイムよりも早い。周りの一年生が強いだけに焦りもあるだろうが、自信を持ってまずは10000m34分を目指して練習を積んでもらいたい。

11番手でゴールしたのは1年の清水。毛利、山中と集団をつくるも、ペースを維持するのが厳しくなり、残り5kmは大きくタイムを落としてのフィニッシュ。名大戦の最終選考では好走を見せていたが、そこから調子が思うように上がらず。距離耐性もあるので、しっかりあわせることができればあと1、2分は縮まるはず。今回は毛利に先着を許したが、実力的には大きな差があるわけではない。まだまだ伸びしろがあるので、下からの突き上げに期待したい。

最後に帰ってきたのは2年の山中。3'30の集団をひくも5kmを過ぎてから大きく失速していき、想定タイムを大きく下回るタイムとなった。予選会出場への強い意欲を見せていた山中。この春にケガから復帰し、5000mでPB更新、20kmTTで内定獲得など好調を見せていながらもここ最近の練習が振るわず。来年、しっかりとハーフを走りきるためには、やはり継続的な練習が求められる。ケガをいかに予防できるかがポイントとなるが、これまでのケガの経験からある程度の蓄積はあると思うので、来年万全の状態で快走してもらいたい。

チームの総合タイムは11時間23分25秒と、2年前に出した学内記録を8分近く縮める大幅な更新を達成した。同時にA目標として掲げていた11時間25分00秒を達成することもできた。また、総合順位は37位とずっと40位台をさまよっていたが、ついにこれを抜け出した。おそらく過去最高順位であると思われる。

今回、学内記録を大幅更新できたのは、実力に合わせた適切なペースを設定したことが大きな要因。上位10名のうち5名はネガティブスプリット、2名は後半の落ち込みを約30秒以内に収めている。これまでの予選会で蓄積された経験から、それぞれにあった丁度よいペースを設定することができた。あとは、下位層のレベルアップがあげられる。下位層がしっかりとタイムをまとめ、大崩れしなかったことが大きい。まさにチーム全員での総力戦の結果となった。

これから求められるのは、まずは来年の出場権を獲得すること。10000mで記録を狙えるのは、5000mと比べると思っている以上に機会も時期も限られる。この標準記録の設定変更を成長のチャンスと捉え、来年また大記録を打ち立てられるよう、一年を通じて準備をしていきたい。

最後になりましたが、朝早くから寒い中、応援・サポートしてくださった部員、OBOGの皆さま、本当にありがとうございました。沿道からの応援が力となって、止まりそうになる選手の足をなんとか動かしてくれました。来年はさらに一回り成長した姿を皆さんにお見せできるように準備してまいりますので、これからもあたたかいご声援をよろしくお願いいたします。

森下尚耶

個人順位 記録 氏名 備考
366 1:06:01 佐々木海(1)
378 1:06:29 山口雄大(2) PB
385 1:06:36 高島良平(2) PB
428 1:08:00 柿沼拓也(4)
436 1:08:11 森下尚耶(3)
456 1:08:51 萱原亮太(1)
461 1:08:56 田中遼太郎(1)
477 1:09:32 久保井遼介(3)
485 1:09:43 河野樹(2)
520 1:11:06 毛利陽人(1)
537 1:12:27 清水康太(2)
570 1:17:50 山中優(2)
総合成績 37位 11:23:25 学内記録
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